雑誌ができるまで #7 ベルリン&アムステルダム日記③【無料版】

vol.15 | 2022年6月22日

ベルリン&アムス日記も4回目。ついにアムスに着いた我々は“ディストリビューター(取次)”を訪れた。その名はIdea Books。ダンボールに夢を詰めて、取り扱ってもらえるかの最終面接、ヨーロッパの分厚い扉を開ける。

アイディア・ブックスへの道

加藤:ベルリンのブックフェアを終えて、アムステルダムにやって来た。ほんのりとしたグリーンの香りが懐かしい。変わってないな!中央駅は。誰もマスクしていない。さて、昨日はヨーロッパのディストリビューター〈Idea Books〉に直接営業しに行ったわけだけど……その場で取り扱いを決めてもらえるとは!持ってきた在庫もすべて納品できたね。いやぁ、よかった。安心した。奇跡だね。

加納:直接持っていけて本当によかったです。ここからどうヨーロッパの人たちに届けていけるかですが、英語で要点を伝える必要性は感じましたね。イントロダクションとして英語を本誌に入れるとか、本文も英語が全部あったらより海外の方にとっては読みやすいだろうけど、雑誌そのものが英語テキストになると日本で出版している意義が見えなくなってしまいます。Idea Booksの人にも言われたけれど、日本のものであることはひとつの個性。いい意味でも悪い意味でも日本語だと面白がられるんですよね。

加藤:野口(恵太)くんの写真集『FLOWER』もMiss Readで売れていた。3号が終わって、4号を制作するタイミングでそれがわかってよかった。Idea Booksの空間も最高だった。アムスの中心から移転しただけに、広くなったのかな。意外と日本の本があったのもびっくりした。ザ・日本的なものが多かったけど。

加納:アムステルダムの書店でもベルリンでも、どの店も置いてあるアートブックがあって、Idea Booksの影響は大きいなと思いました。Idea Booksは規模も大きいし取り扱う本の質に対する信頼があるから、日本でつくった本を海外に届けたい身としては取り扱ってもらえるとありがたいけど、書店のラインナップが似てきちゃうのはジレンマですね。

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text: Naonori Katoh